車にキック。

閉店間際に店の外が騒がしい。

アルバイトの男の子が
俺に声をかけてきたんだ。
「てんちょー、あれやばくないですか？」って

指さされたほうを見ると
サラリーマン風の男と
DQNっぽい3人の男が言い争いをしている。
というか、もうじき殴り合いになりそうな勢い。

面倒なことになっても困るので
急いで110番にかけてみた。

通報しながら言い争いを聞いていると、
どうやらサラリーマンが
男3人の乗る車に
クラクションを鳴らされた時、
カっと来て車を蹴っただのなんだの言っているようだ。

詳しくは分からないが
3人のうち2人がヒートアップして
もう一人が間でどうにかなだめようとしている構図。

そのうちサラリーマンが車に連れ込まれそうになる。
さすがにコレはヤバイと思ったのか
サラリーマンは声を上げて叫ぶ。
「誰かー！」か「助けてくれ！」だったか。

割って入るほど豪胆にはなれなかったので、
その男3人の乗っていた車のナンバーを、
しっかりメモることに。
視力2.0だしね。

そのとき向かいのマンションから
「警察に電話したぞ！」との声。
GJ牽制。

そのまま小康状態が続き
15分ほどしてからようやく警察官が到着。
･･･カブ1台･･＿|￣|○
ちょっと不安になりながらも
「あれです。」
と警察官にうながす。

妙に若々しい警察官だったため
少し心配になったが、本職に任せて
俺らは閉店作業の続きに戻ることに。
･･･なんか「関係ねぇだろ、あっちいけよ！」
とか言われてる･･･。


閉店作業も終わり、そろそろほとぼりも冷めてるかなと
店の外に出て驚いた。

カブが4台、パトカー2台、
警察官大勢 (　Д) ゜ ゜

すっごいことなってるんですけどコレ。
３対１で、今にも殴り合いが始まりそうって
言ったのが原因なんだろうか。
騒ぎを大きくしてしまったようで少し申し訳ない気もする･･。

でも、血が出たり犠牲者出たりしなくてほんとによかった。
店的にも俺にも寝覚めが悪いしね。


パトカーの回転灯で
妙に煌びやかな町並みを背に、
今日の仕事は終わりを告げましたとさ。

はぁ～しんど。