「今の日本の財政状況を考えるとやむを得ない」わけがない

　「今の日本の財政状況を考えると（増税は）やむを得ない」

と安住財務相は前回言っていたわけですが、日本の財政状況って今どんなことになっているのか。

若者もそうでない人も、なんとなく日本はこのまま行くと破綻するなんて思っている人も多いのかもしれない。


でもそれは間違い。


確かに「このまま増税なんかしちゃってその後また震災が起こったりしたら」だめになってしまうかもしれない。

だから、その前に今の正しい日本の財政状況を知っておきましょう。


今日は「国の借金」についてです。

確かに「日本政府」に借金があるのは事実。

2010年末速報値で1049兆7000億円もあります。

日本政府の借金額、分かりやすく言うと国債発行額なわけですが、じゃぁその国債って誰が持っているのか？

借金があるってことは、誰かから「借りている」ということだよね？

それなら日本政府にお金を「貸している」のは誰でしょう。



それは銀行であったり、生命損保などの国内金融機関や家計です。



で、銀行のお金って「預金」です。それはつまり私達が銀行に「貸している」お金。

まとめると、政府は私達からお金を借りていることになります。

もうこの時点で、

「国民一人あたりの借金が600万を超えた！」

なんて言ってる新聞は大間違いだということがまるわかりです。そんな新聞の経済面は信用しないようにしましょう。



そしてポイントなのが「借金額全てが円で借りているということ」

つまり借金を返す（償還する）時に円で返すだけでOKということになります。

ここが他の、世界のほとんどの国とはちょっと違うところ。




もしこれがドルで海外から借りていたらどうなるか。返す時にドルに両替しなくてはいけない。両替をするということは沢山の円を市場に流してドルを買うということ。

ドルが少なるのと同時に人気が出て高くなる。

すると次にまた両替するときにはもっと沢山の円が必要になってしまう。

1ドル＝80円だと、100ドル返すのに8,000円必要だけど、

1ドル＝100円になると、100ドル返すのに10,000円必要になってしまう。


つまり返すたびにどんどん大変になって、やがて「財政破綻」するというところもあるわけです。例えばちょっと前のロシアとかアルゼンチンとか韓国とか。



この、政府の借金が全部円で借りているというところ、実は結構ポイントなので大事です。


だって最終的に政府は「円を創る」ことが出来るんですもの。

「そんなことしたらインフレになる！」

というか、今デフレなんだからインフレにするのが目的なのでそれでいいのです。落ち着いて考えれば当たり前なんですが、「今までなんで早くそれをやらなかった！」と言われるのが怖いので、偉い人達は間違いを認めたくないのです。

そこはまぁ、うちらが選挙によって正していくしか無いんですけどね。

話がちょっとそれました。



最終的に円を創って返すことができるので、理論上自分の国のお金の借金（自国通貨建ての借金）で国が潰れることはないのです。

また、歴史上そういった国は存在しないそうです。

円を創る担当の日本銀行（日銀）は、政府の子会社なので、今よりもっと多額の国債を買い込んで永遠にしまっておくという手も使えます。親会社が子会社からお金借りても金利（利息）は結局、決算で元に戻ってしまいますので。

だからなんとなくはびこる「日本はもうだめだ」な空気は鼻で吹き飛ばしておきましょう。


今日のポイントは、

「誰かの借金は誰かの資産」です。

「国民一人あたりの借金」ではなく、

正しくは「国民一人あたりの資産」です。

この続きはそのうちまた。