節約するのは家計くらいにしておこう

　GDPは皆の給料の合計です。ですからそれが大きくなればなるほど、皆の給料が増えるということ。減るより増えたほうが良いですよね。

おさらいですが、GDPは


GDP＝民間の支出+政府の支出+純輸出（輸入額-輸出額）

でざっくりと表せます。

例えば皆がコンビニでデザート買った時も、家を買った時も、民間の支出に加算され、そのお金は誰かの手元に渡るわけですし、

政府が公務員の給料を支払った時もGDPの政府支出に加算されますし、公共投資を増やしても政府支出に加算されてGDPに貢献するわけです。

お金は回る。

そこをきちんと踏まえると、以下の記事の意味も何となくわかってくるはずです。

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ダム、道路整備…１７事業中止、２千億円節約　２０１１年度、国の政策評価で

　政府は８日、国の事業の効果や必要性に関する各省庁の点検結果をまとめた平成２３年度の「政策評価白書」を閣議決定した。中止や凍結が決まったのは国土交通省のダム事業など計１７件。継続すれば必要だった２２６８億円（地方負担含む）の支出が不要になった。

　２３年度の見直し対象となったのは、実施決定から５年たっても着工していないか、１０年経過しても完成していない公共事業など７２０件。

　省庁別の内訳は、国土交通省の中止が１０件で、七滝ダム（熊本県）などダム事業８件、一般国道５６号五十崎内子拡幅（愛媛県）など道路整備２件。ただ、ダム事業はすべて、民主党政権に代わった後の検証作業で「中止」の結論が出ていた。

　農林水産省は、鳥取沖の広域漁場整備など６件を中止・凍結。外務省はインドの港拡張に対する政府開発援助（ＯＤＡ）１件を同国の意向で中止した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120608/plc12060810410009-n1.htm

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.>継続すれば必要だった２２６８億円（地方負担含む）の支出が不要になった。

2千億円節約！

見出しにも力強く節約という単語が載っています。


これ、本当の意味は「2千億の民間の仕事を無くしてやった！」という意味ですよね。または「2千億の給料を皆の給料の合計から引いといたぜ！」と言い換えても良い。

本当は2千億の支出をもし政府がしたとしたら、2千億以上の経済効果があるはずなんです。


2千億のお金が建設会社に渡る（土地代除く）
↓
↓（ここで既に2千億（土地代除く）がGDPに加算される）
↓
建設会社が従業員に給与を支払う
↓
従業員は給与の幾分かを消費する
↓
消費した時に誰かに渡ったお金は、また誰かの給与になって消費されてゆく。


ですから2千億の節約というのは実際にはもっと多額の節約をしてしまったことになるわけです。

デフレの下での政府の節約は悪です。