苦手教科より得意な教科を伸ばそう

　「中国に対して日本は経済的に依存している」

何となくぼんやりと、そんなイメージってありませんでしょうか。私はありました。このグラフを見るまでは。


０９年における日本の対中（香港含む）輸出入とＧＤＰ（単位：百万ドル）

これを見て依存していると言うかどうかです。

1%でも取引があれば「依存している」と言えちゃうでしょうが、それは私達が感じていた印象とは違う言葉の意味ですよね。


このグラフを踏まえて以下の記事を読むと、少し感想が変わる気がします。

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＜中韓ＦＴＡ＞交渉開始合意　日本に強い逆風

中国と韓国は２日、互いの関税の撤廃、削減を進める自由貿易協定（ＦＴＡ）の締結交渉を始めることで合意した。韓国は欧州連合（ＥＵ）や米国とのＦＴＡをすでに発効させており、最大の輸出先である中国とも締結すれば、日本を除く主要な貿易相手とのＦＴＡ締結が完了する。日中韓３カ国でのＦＴＡ交渉を目指していた日本にとっては強い逆風になりそうだ。韓国企業と世界市場で競争する日本企業にとって、国内からの輸出が一段と不利になる可能性がある。生産拠点の海外移転が進めば、国内雇用への影響も懸念される。（後略

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120503-00000013-mai-bus_all

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ちなみにみんなの給料の合計を表すGDPはこんな感じ。（2009年）

GDP拡大に貢献する純輸出は0.3%


日本の名目GDP２００９年　百分比

前のグラフと、このGDPのグラフをあわせて考えると、

中国と韓国がもし、2倍、いや3倍今より物を買ってくれても、私たちの給料はそれほど変化がないことになります。

いや、そもそも日本の「全世界へ対する輸出額」が2倍になったとしても、今流行の原発停止ブームによって、停止した分の電力を賄うための火力発電所が必要とする石油やガスの輸入額が増えると、チャラになってしまいます。

GDPに貢献する純輸出の値は、輸出－輸入＝純輸出　ですから。

まぁ、原発が安全かどうかはさっぱりわからんので話が別ですが。

グローバル企業が自社の社員を食わせるために頑張るのは当たり前ですが、国としては純輸出の0.3%を頑張って2倍にするより、国内の「消費」をたった2%上げるくらいの方が楽だし、はるかに効率的な気がするんですけどいかがでしょうか。そのほうがわたしたちの懐が温まりますよね。たった2%と言っても額だと6兆円くらいになるんでしょうし。

得意分野を伸ばしたほうが楽なのと一緒ですよね。別に日本経済は頭打ちでも何でもないんですし。

「売れてない商品を売れるようにする方が楽しい」なんて言ってる普段と真逆な気もしますが、

新しい分野を開拓して売上を2%上げるのと、自店の主要分野、例えばヘルスケアかビューティー部門を2%上げるほうが楽で効率的ですよね。「ウチの店は全てやり尽くしているからその部門を伸ばすことは無理だ！！」と言えるならそれは通用しないかもしれませんが。


それと同じことだと思います。