尿素ってなんすか。尿素入りクリームってなんすか。

　せっかくこの季節だから尿素入りクリームのお話を。

尿素20％入りのクリームが店頭に並ぶ季節になってきました。店頭では化粧品にも入っていたりして、肌に塗るとすべすべになる、角化した角質が柔らかくなる、などの効果があるということで重宝しているようです。

だがしかし、


尿素ってそもそも何で潤いとか、保湿とかいわれてるんでしょう。

　尿素ってのはとっても水分を保持してくれる物質です。尿素分子1に対して6個の水素結合部位を持ち、ここに水分子がそれぞれくっつくために高入水分保持能力を持っています。

角質を構成するタンパク質のペプチド結合とも水素結合することでそれを破壊し、角質層に浸透していきます。

つまり皮膚から水を奪って自分はつやつやタプタプになって、奪われた皮膚はミイラみたいになって死ぬと。

普段尿素を塗ってすべすべしてるのは、奪われた水分でつやつやになった尿素＆水分子で潤ってるような気がするだけで、実際の皮膚はカサカサになっていくということか。

もともと潤っている皮膚に使うのならともかく、乾燥してバリア機能が低下している皮膚に使うのはNGですね。ファラオに乾燥剤どうぞみたいなもの。

実際かきむしったところとかの傷口に尿素入りクリームを塗ったことのある人は、あのひりひり感がわかるんじゃないでしょうか。


そしてクリーム基材（白とか黄色の）に入っている乳化剤（界面活性剤みたいなもん）は、皮膚常在菌の餌であり、バリアである住みやすい環境を作るための皮脂を分解してしまう。


「尿素入りハンドクリーム」はダブルパンチで乾燥肌にはNGなわけだ。



ワセリン良いよワセリン。

私は小分けにしてリップクリームがわりにも使ってますわよ。


良く自作で化粧水を作るって人がいるけど、尿素は眼に入るのは禁忌ですのでご注意を。

市場で恐らく最も名の知られているハンドクリームの添付文書にも、「してはいけないこと」の欄に、

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次の部位には使用しないこと

（１）　眼のまわり、粘膜等。
（２）　引っかき傷等のきずぐち、亀裂（ひび割れ）部位。
（３）　かさぶたの様に皮ふがはがれているところ。
（４）　炎症部位（ただれ・赤くはれているところ）。

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と、書かれています。気をつけましょう。