騙されないように5

　借金があるってことは、誰かから借りているということ。

当たり前ですよね？

　お金を使うということは、誰かにそのお金が渡るということ。

当たり前ですよね？


そこら辺を忘れてしまうと、このようなとんちんかんな記事が出来上がります。

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国の借金960兆円＝国債増発で最大更新―11年度末

財務省は10日、国債や借入金、政府短期証券の残高を合計した「国の借金」が2011年度末で959兆9503億円となり、過去最大を更新したと発表した。（後略

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120510-00000073-jij-pol

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「国民1人当たり752万円の借金を負う計算になる」

なんて言っちゃってますが、これが間違い。なぜかというと、

国が借金まみれ（国債発行しまくり）ということは、誰かが貸しまくっているということ。

それは誰だ。

それは銀行や保険会社だ。


2010年末（速報値）版　日本国債保有者別内訳（総額は727兆円）

じゃぁそのお金↑はどこから来てるのか。

それは私たち一人ひとりの預金や保険支払い。


じゃぁ、「国民一人当たりの借金」という表現はおかしいということになるよね。

だってこっちが貸しているわけだから。


じゃぁ、「返せよー！」と言いたい人は銀行からおろしたり、保険を解約すればいいだけ。でも、そんな大金を一気に下ろしてどうするの？使う？

それは素晴らしい。皆が一気に貯金下ろして使うと凄いよ。もうどれくらい凄いことになるかって言うと、全世界が日本経済にひれ伏すぐらい凄い。

GDP2000兆円とかになっちゃう。多分供給が追いつかないとは思うけど。

ま、現実的に考えて貯金全部を使うなんてことはできないよね。だからそれを銀行に預けてるわけだ。タンス預金よりはわずかだけど利子も付くし。

じゃぁ、銀行はその戻ってきた預金をどうするかっていうと、今はまだデフレなので企業が設備投資にお金を使ってくれないし、銀行からお金を借りてくれないので、

しょうがないけどまた国債を買う（政府に貸す）しかないわけだ。日本国債より安全な国債があれば、そっちを買うかもしれないけど。


「日本国民を不安にして嬉しい人たち」からすると、毎年こうやって「借金がー！」って騒ぐのは当たり前なんだろうけど、

毎年政府の借金が増えるのは「世界的に見ても当たり前」なんだよね。


【G７諸国の公的債務（政府の借金）増加ペース　1980年-2008年】」

だから大丈夫ってわけじゃないんだけど、この政府の借金というやつを「薄めて」どうでもいい割合にしてしまうのが本当は正しい目標なわけだ。


借金1000に対してGDP500だとやばそうな気がするけど、

借金1000に対してGDP3000ならそうでもないだろ。


どの国の政府も、数十年から100年単位でGDPを成長させて、借金を「薄めて」きたんだ。

日本が問題なのは、借金増えてるけどGDPが成長していない所なんだよね。だから、日本を成長させるような事を考えてる政治家を選ぶようにしないとね。


　あと、上の新聞記事で「国の借金」と言っているものは、正しくは「政府の借金」です。これもお間違えのないように。

皆がどれだけ資産と借金をもっているかは、コチラを見ればわかります。↓


日本国家のバランスシート　２０１１年末（速報値）　単位：兆円
上のオレンジ部分の部分が政府の分。

始めに言ったように、誰かの借金は誰かの資産なわけだ。

それじゃ、借金を全部その「誰か」に返したらどうなる？

チャラになるよね。ゼロ。

でも日本の場合はそうならない。資産の方が多くなっちゃう255兆円くらい。それも世界一。

じゃぁ「国の借金」って一体・・・？って話になるよね。返しちゃったらゼロになるどころか、プラスになっちゃうのに。

というわけで、国の借金という言葉は間違いで、正しくは「政府の借金」です。それでいて、私達の資産になるわけです。

新入社員諸君は、日本の未来を何となく考えた時に、くらーい気持ちになる必要なんてないのです。


「誰かの借金は誰かの資産」

「お金は使っても無くならない、誰かの手元に渡るだけ」


です。