GDPを上げるためにクスリの◯◯◯◯で買い物しよう

　社会保障など色々なことに使う税金は、政府の所得と考えることができます。私たちの給料が会社の収益に比例して上下するように、政府の収入はGDPに比例します。

だから、税金が沢山欲しいならまずはGDPを上げなくてはいけない。GDPを上げないまま増税をすると、みんなの収入が上がらないまま取られるものが増えるわけだから、お金を使うことに色々ためらいが出て、結果的にGDPが下がることになってしまう。




GDPとは、お金がどれだけ世の中で使われて回っているかを表す、経済規模を表す指標。

生産面と分配面と支出面のGDPというのがそれぞれありますが、三面等価の原則といって、どれも同じ値になるので支出面だけ考えてみましょう。


今、日本にABCの3人しかいないとします。

そしてAの手元には一万円札がある。というか日本には一万円しかないとします。


で、一年間の期間に


AがBから一万円でモノを買う。

BがCから一万円でモノを買う。

CがAから一万円でモノを買う。


これで一枚の1万円札が一年間でぐるっと一回りしました。お金は使っても誰かの手元に渡るだけで無くなりませんからね。


これが、

年間GDP3万円の国ということ。

もし二回りしたら6万円になります。3回りだと9万円です。

で、ぐるぐるぐるぐる回って、今の日本は500兆ぐらいなわけなんですね。

もし、ここで全員が2千円づつ貯金か税金で政府に取られちゃったら？


まず、

Aが2,000円貯金（納税）しつつ8,000円使います

Bが8,000円手に入ったので2,000円貯金しつつ6,000円使いました。

Cは6,000円手に入ったので2,000円貯金しつつ4,000円使いました。


この2,000円貯金（か、納税か、借金返済）バージョンだとGDPは18,000円ですね。全額使っちゃうというGDP30,000円の世界と比べるとあんまり金回りがよくないですね。


こうしてみると、貯金することって一人ひとりにとっては良いことだけど、全員の事を考えるとあんましいいことじゃないよね。

これを合成の誤謬と言います。

一人ひとりにクローズアップして考えると正しいことなのに、俯瞰で見るとヤバイことになっているということ。


これ、今の日本そのまんまなんですよね。



2009年の日本のGDPがこれなんだけど、皆が物買ったり食ったりすると、

↑のグラフで言う青いところ、民間最終消費支出（個人消費）ってとこに10,000円使ったなら使ったで、加算されるわけです。

どんどんお金使うとGDPが増えて、皆わりと幸せになれます。

そして、個人消費の右側に見える割と大きな紫色のところ。これが政府最終消費支出ってやつで、簡単に言うと、

政府がどれだけお金使ったかを表すところ。

もちろん公務員の給料とか、最近再開発の始まった八ッ場ダムとかの公共投資とか、無駄無駄言われて批判される赤字経営のなんか建物とか、全部ここに含まれます。


上のGDPは日本の経済規模を表すんですよね。


それなら、民間がびびってあんまりお金使わない時に政府まで節約してどうすんのという話なんです。


今はむしろ「ムダ」こそ大歓迎、「効率化」なんてクソ食らえなんです。政府はね。

バブルとかの好景気の時は民間の私達がお金使いまくるし、企業は借金しまくって投資しまくりなので税収もむちゃくちゃ増えるのでやるべきことは全く逆になりますが。



で、「GDP3万円の世界」で考えたように増税によってGDPの流れからお金が外れすぎたり、将来への不安から貯金する率があがっちゃったりすると、GDP自体がまたまた縮んでしまいます。



↑のグラフを見るとわかるように、GDPと税収って面白いくらいに同期してますよね。



それを踏まえると、このデフレで景気が悪い時に増税しようとするこの人達が、

いかにキチガイなことを言っているかがよーっくわかります。

---

藤井氏、消費税増税の素案「年内にメド」　首相も「必ずやる」
民主党の藤井裕久税調会長は１７日、消費税増税を含む税と社会保障の一体改革大綱の「素案」取りまとめの時期について「メドをつけるのは年内だ。おのずから常識がある」と強調し、年明けへの先送りを示唆している前原誠司政調会長を牽制（けんせい）した。都内で記者団に答えた。

　藤井氏によると、野田佳彦首相と１６日夜に首相公邸で会食した際、首相は「年内にメドをつける。必ずやる」と明言したという。またテレビ東京の番組では、野田内閣の支持率が低下している状況について、藤井氏が「気にするな。黙ってやるべきことをやるべきだ」と首相に助言したことを明らかにした。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111217/stt11121713080001-n1.htm

---

今はとにかく復興と経済成長が最優先なので、例え人格や実績が素晴らしくても、増税しようとする人には国政の舞台から退場していただきませんと。